“裁判所「同人誌は著作権侵害にあたらない」 同人誌の法的位置づけが決定”のまとめ
第4 当裁判所の判断
1 当裁判所は,一審原告の請求は原判決の認容額の限度で理由があり,その余
は理由がないと判断する。その理由は,当審における両当事者の補充主張に対
する判断を次項以下に補充するほか,原判決の「事実及び理由」「第4」の1
~7項(原判決17頁1行目から29頁24行目まで)の記載のとおりである
からこれを引用する。
2 争点5(信義則違反又は権利濫用)について
一審被告らの主張は,次のとおり,採用することができない。
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(1) 著作権侵害に関する主張について
ア 原著作物への依拠
特徴7によれば,本件各漫画は,原著作権に依拠して作成されたものと
認定できる。
イ 著作権侵害の有無
一審被告らは,本件各漫画には原著作物のキャラクターが複製されてい
る旨主張する。
しかしながら,漫画の「キャラクター」は,一般的には,漫画の具体的
表現から昇華した登場人物の人格ともいうべき抽象的概念であって,具体 的表現そのものではなく,それ自体が思想又は感情を創作的に表現したも のとはいえないから,著作物に当たらない(最高裁判所平成4年(オ)第1 443号,同9年7月17日第一小法廷判決,民集51巻6号2714 頁)。したがって,本件各漫画のキャラクターが原著作物のそれと同一あ るいは類似であるからといって,これによって著作権侵害の問題が生じる ものではない。
また,原著作物は,シリーズもののアニメに当たるものと考えられると
ころ,このようなシリーズもののアニメの後続部分は,先行するアニメと
基本的な発想,設定のほか,主人公を初めとする主要な登場人物の容貌,
性格等の特徴を同じくし,これに新たな筋書きを付するとともに,新たな
登場人物を追加するなどして作成されるのが通常であって,このような場
合には,後続のアニメは,先行するアニメを翻案したものであって,先行
するアニメを原著作物とする二次的著作物と解される。そして,このよう
な二次的著作物の著作権は,二次的著作物において新たに付与された創作
的部分について生じ,原著作物と共通しその実質を同じくする部分には生
じないと解するのが相当である(上記最高裁判所平成9年7月17日判決
参照)。そうすると,シリーズもののアニメに対する著作権侵害を主張す
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る場合には,そのアニメのどのシーンの著作権侵害を主張するのかを特定
するとともに,そのシーンがアニメの続行部分に当たる場合には,その続
行部分において新たに付与された創作的部分を特定する必要があるものと
いうべきである(なお,一審被告らは,東京地裁昭和51年5月26日判
決(判例タイムズ336号201頁)に基づいて,登場人物等に関しては,
登場シーンを特定する必要はないという趣旨の主張をするが,上記最高裁
判所判決に照らし,採用することはできない。)。
この観点から検討すると,一審被告らの主張のほとんどは,原著作物の どのシーンに係る著作権が侵害されたのかを特定しない主張であって,主 張として不十分であるといわざるを得ない。そして,原著作物の特定のシ ーンと本件各漫画のシーンとを対比させた乙10の1~7(もっとも, 「アニメ版」として掲げられているシーンについて,第何回のどの部分と いう具体的特定までがされているわけではない。)の内容を検討してみて も,原著作物のシーンと本件各漫画のシーンとでは,主人公等の容姿や服 装などといった基本的設定に関わる部分以外に共通ないし類似する部分は ほとんど見られず(なお,乙10の1~7の中で,共通点として説明され ているものの中には,表現の類似ではなく,アイディアの類似を述べてい るのに過ぎないものが少なくないことを付言しておく。),また,基本的 設定に関わる部分については,それが,基本的設定を定めた回のシーンで あるのかどうかは明らかではなく,結局,著作権侵害の主張立証としては 不十分であるといわざるを得ない。
以上の次第で,一審被告らの著作権侵害の主張は,それ自体失当である
し,
(略)
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/748/089748_hanrei.pdf
事件番号
令和2(ネ)10018
事件名
損害賠償請求控訴事件
裁判年月日
令和2年10月6日
裁判所名
知的財産高等裁判所
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=89748
①熊本の企業が二次創作のBL同人の海賊版サイトを運営して荒稼ぎ
②その二次創作BL同人作家がその企業を「権利侵害だ」と損害賠償を請求。
③熊本の企業が逆切れして「てめえこそ元は著作権侵害してんだろ訴える権利ねえ」と主張するが棄却。
要するに同人誌がキャラクターを真似るのは著作権侵害には当たらない(タイトルは別)って事だな
タイトルの著作権持ってる企業の訴えあれば同人誌でも違法にできる訳だ。まあ企業は余程チカラ入れてるタイトルじゃなきゃ黙認だけど
ドラえもん最終回はセーフになるんかな
ドラゴンボールの孫悟空をAさんが描いたらその絵はAさんに権利があって、鳥山明の著作権を侵害してるわけではない。
黙認してるだけでタイトルの著作権持ってるメーカーが訴えたら駄目
公に権利を認められたってこと??
同人誌のことを言ってる
同人誌違法アップロードサイトと同人誌作者との裁判
それ使ってストーリーとか作るならそのストーリーを作った奴に著作権があるってことなのか
じゃあネズミーも使えんだな日本では
そうなるよな…(´・ω・`)
二次創作勝手にアップロードするのがNGなだけ
拡大解釈がまかり通ってたけど当たり前のこと
元ネタもちゃんと書いてあるねw
理由も納得できる
素晴らしい判決だ
もうやりたい放題になりそうやな
他人のふんどしで尚且つ玄関先で戦ってるようなもん
著作物としての保護対象にはならないってだけ。
原著者が著作者人格権の侵害を訴え出たら負けちゃうので気を付けてね。
する必要は本来ないわなw
同人業界が出版社業界の草刈場になってる現状見ればわかりそうなもんだが
オリジナルの漫画書いてる漫画家でも訴えられる人出そうやわ
コメント8件
泥棒が盗品を盗まれたから賠償せよと盗人に訴えた裁判だな
盗品の正当性を認めたわけじゃない
界隈盛り上げるために黙認するっていうのもあるからな。どこぞの国みたいに節操なしにホイホイコピられたら訴えられるだろ
当たり前の判決だが熊本企業の厚顔無恥っぷりがやばい
デマカセ流すな。
著作権侵害を主張するには根拠が足りないって言ってるだけで、同人誌全般が著作権を侵害していないなんてどこにも述べられてない。
キャラクター云々の下りは以前の判例を踏襲してるだけで、何も新しいことなんて言ってない。
そもそも同人作家が著作権侵害しているという主張が認められたところで、二次的著作物の著作権が成立するのに適法性の要件は必要ない。つまり、違法に作成された同人誌にも著作権はあるから本件には一切関係がないこと。
(二次的著作物についてはもちろん原著作者にも権利があるから、原作者が訴えれば同人作家がおそらく負ける)
勝手に「同人誌の法的位置づけが決定」とか言ってるけど、引用部分で何も新しいことを言っていない以上、これまでどおりグレーだからな。
これ読んでどう解釈したら同人誌はセーフなんて考えに至るんだ。いっち著作権の教科書買ってこい。
第三者が言っても裁判所は聞く耳もたんということだろ
原作者の主張じゃないんだから当然でしょ、おとなしく権利侵害でお縄につけ
なお同人誌も原作者が黙認してるだけなので大人しく活動しましょ、という